セカンドキャリアの向こう側

50歳から第二のキャリア探索の旅に出ました。いまだ迷走中。ライブドアブログから引っ越してきました。

働き方改革私見~ベンチャー企業探訪記2

都心で迷子になる

指定の時間にオフィスのある街を訪れた。平日の昼間、都心ではあるが人通りは殆どない。いわゆる繁華街でも住宅街でもないので、ただ素っ気ない白いビルが延々と並んでいるだけ。グーグルマップではすぐ傍に来ているのだが、ビルの名前さえ看板がなくわからない。何度かグルグルと周辺を歩き回り、ようやく発見できたのだが・・・。古くて間口の小さなビルだ。入るとすぐエレベーターホール兼階段の踊り場になっている。外壁はそれなりにリフォームしているようだが、築30年は経過しているようなビルだった。エレベーターを降りるとすぐ左にドアがあり、会社の名前が貼ってある。おずおずとノックをして、呼ばれるままにドアを開けた。

「居場所」としてのオフィス

そこには、中古ビルの殺風景なワンフロアが広がっていた。部屋はなく、コーナーにベンチやホワイトボードなどが置かれ、スタッフがグループに分かれて何やら話合っている様子だった。年齢的には20代から40代といったところか。その中でも年長と思われる一人の女性が私の担当のようだった。一通りの紹介を受けた後は、声がかかるまで周囲の様子を観察していた。いわゆる企業のオフィスでもなく、おしゃれなスタジオでもない、古いビルのワンフロアに必要最低限の家具を置いた、ノマドワーカーの「居場所」のようなところだった。床にはコンセントが転がり、それぞれのPCや録音機器、照明器具などに繋がっているようだった。各々が持っているPCもバラバラで、それぞれ自前のPCを持ち込んで何やら作業を行っているらしかった。この段階で、すでに違和感が芽生え始めていた。私が想像していたデスクワークとは場の雰囲気がだいぶ異なっていることがわかったからだ。何か、殺気立っているというか、非常にせわしない空気があたりに充満していた。その時はまだその空気が何なのか全くわかってはいなかった。
(続く)